
脳血管疾患等リハビリテーションを保険診療で提供するには、所定の施設基準を満たし、地方厚生局に届け出を行う必要があります。
脳血管疾患等リハビリテーション料は、脳血管疾患や中枢神経疾患、神経疾患、高次脳機能障害、言語聴覚機能の障害などに対して、医師の指示のもと、理学療法・作業療法・言語聴覚療法を個別に実施する場合に算定される診療報酬です。
本ページでは、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)それぞれにおける施設基準の要件をわかりやすく整理してご紹介します。
(Ⅰ) | (Ⅱ) | (Ⅲ) | |
算定日数上限 | 180日 | ||
所定点数 | 245点 | 200点 | 100点 |
算定日数超過後 13単位/月まで(※要介護被保険者等は除く) 注1) | 245点 | 200点 | 100点 |
算定日数超過後 13単位/月まで(※要介護被保険者等) 注1) | 147点 | 120点 | 60点 |
医師要件 注2) 注3) | 脳血管疾患等リハビリテーションを担当する専任の常勤医師2名以上。 うち1名以上は、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験、または関連する研修会・講習会の受講歴もしくは講師歴を有すること。 | 専任の常勤医師1名以上 | |
専従常勤セラピスト 注4) 注5) | PT5名以上、OT3名以上。 STを行う場合はST1名以上。 PT・OT・STを合わせて10名以上。 | PT1名以上、OT1名以上。 STを行う場合はST1名以上。 PT・OT・STを合わせて4名以上。 | PT・OT・STのいずれか1名以上。 |
施設面積 注6) | 病院・診療所ともに160㎡以上 | 病院:100㎡以上 | |
言語聴覚療法のみを実施する場合の個別療法室 注7) | 遮蔽等に配慮した8㎡以上の専用個別療法室を1室以上 | ||
人員・面積の共有 注8) | 他リハビリテーションとの共用可能 | ||
設備基準 | 歩行補助具 訓練マット 治療台 重錘 測定用器具 血圧計 平行棒 傾斜台 姿勢矯正用鏡 車椅子 装具 家事用設備 日常生活動作用設備等 | 歩行補助具 訓練マット 治療台 砂嚢などの重錘 各種測定用器具等 | |
言語聴覚療法を行う場合に必要な設備 聴力検査機器 音声録音再生装置 ビデオ録画システム等 | |||
対象疾患 | 急性発症した脳血管疾患、中枢神経疾患、神経疾患、慢性の神経筋疾患、 失語症・失認・失行症・高次脳機能障害、聴覚・言語機能障害等により、 一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力または日常生活能力の低下を来している患者 | ||
注1)標準的算定日数である180日を超えた場合であっても、医学的にリハビリテーションの継続が必要と認められる場合等には、1月13単位に限り所定点数を算定できる場合があります。なお、入院中の要介護被保険者等に対して、発症、手術、急性増悪または最初に診断された日から180日を超えてリハビリテーションを行う場合は、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)147点、(Ⅱ)120点、(Ⅲ)60点を算定します。
注2)週3日以上かつ週22時間以上勤務している専任の非常勤医師を2名以上組み合わせた場合、常勤1名としてみなすことができます。なお、経験を有する医師の要件があるものについては、経験を有する非常勤医師の組み合わせに限られます。
注3)脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)では、専任の常勤医師2名以上のうち1名以上について、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験、または関連する研修会・講習会の受講歴もしくは講師歴を有することが求められます。
注4)週3日以上かつ週22時間以上勤務している非常勤の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士をそれぞれ2名以上組み合わせた場合、常勤1名としてみなすことができます。ただし、常勤配置に算入することができるのは、それぞれ1名までに限られます。なお、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)に限り、理学療法士4名、作業療法士2名、言語聴覚士1名まで常勤とみなすことができます。
注5)当該リハビリテーションの実施単位数は、従事者1人につき1日18単位、週108単位までを標準とし、1日24単位を上限とします。
注6)施設面積の測定は、原則として壁心ではなく、内法による測定とされています。なお、言語聴覚療法を行う場合は、遮蔽等に配慮した8㎡以上の専用個別療法室を1室以上有する必要があります。
注7)言語聴覚療法のみを実施する場合、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)では専任の常勤医師1名以上、専従の常勤言語聴覚士3名以上、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)では専任の常勤医師1名以上、専従の常勤言語聴覚士2名以上、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)では専任の常勤医師1名以上、専従の常勤言語聴覚士1名以上が必要です。
注8)他の疾患別リハビリテーション、障害児(者)リハビリテーションまたはがん患者リハビリテーションとの人員・施設面積の共用は、一定の範囲で認められています。ただし、同一時間帯に実施する場合は、それぞれの施設基準を満たす必要があります。
注9)届出にあたっては、「様式42」による施設基準届出書に加え、当該リハビリテーションに従事する医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等について、勤務形態を記載した「様式44の2」を併せて提出する必要があります。また、専用の機能訓練室の配置図および平面図も添付します。
参考資料:厚生労働省 令和8年度診療報酬関連情報
機能訓練室に必要な設備
言語聴覚療法を行う場合に必要な設備
また、必要に応じて、麻痺側の関節の屈曲・伸展を補助し、運動量を増加させるためのリハビリテーション用医療機器を備えることが求められます。
※他のリハビリテーションとの人員・施設面積の共有は可能ですが、実際の運用にあたっては、届出区分や実施時間帯、専従者の配置状況を確認しておく必要があります。
✓ 料(Ⅰ)との違い
Ⅰと同様に以下設備が必要です。
機能訓練室に必要な設備
言語聴覚療法を行う場合に必要な設備
また、必要に応じて、麻痺側の関節の屈曲・伸展を補助し、運動量を増加させるためのリハビリテーション用医療機器を備えることが求められます。
※他のリハビリテーションとの人員・施設面積の共有は可能ですが、実際の運用にあたっては、届出区分や実施時間帯、専従者の配置状況を確認しておく必要があります。
✓ 料(Ⅰ)との違い
✓ 料(Ⅰ)との違い
✓ 料(Ⅰ)・(Ⅱ)との違い
機能訓練室に必要な設備
言語聴覚療法を行う場合に必要な設備
✓ 料(Ⅰ)・(Ⅱ)との違い
料Ⅰ・Ⅱでは、歩行やADL改善に向けた幅広い設備 料(Ⅲ)の設備に加え、さらに血圧計、平行棒、姿勢矯正用鏡、各種車椅子などが具体的に指定されています。より実戦的な歩行訓練や、日常生活動作(ADL)の改善に対応できる環境が求められます。
※他のリハビリテーションとの人員・施設面積の共有は可能ですが、実際の運用にあたっては、届出区分や実施時間帯、専従者の配置状況を確認しておく必要があります。
✓ 料(Ⅰ)・(Ⅱ)との違い
料Ⅰでは、病院・診療所ともに専用の機能訓練室として160㎡以上の面積が必要ですが、料Ⅱ・Ⅲでは病院100㎡以上、診療所45㎡以上とされています。
✓ 料(Ⅰ)・(Ⅱ)との違い
上記の施設基準は、脳血管疾患等リハビリテーションを安全かつ効果的に実施するために定められた最低限の要件です。
また、専任・常勤医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の配置状況、施設面積や必要機器の整備状況は、行政への届出時に確認される重要なポイントです。書類として根拠を示せるよう、日常的な管理・運用体制を整えておくことが求められます。
さらに、他のリハビリテーションとの人員や面積の共用可否、時間帯による兼任など、実際の運用における柔軟性も一定の範囲で認められています。ただし、基準を逸脱しない範囲での対応が必要となるため、事前に確認しておくと安心です。
施設での脳血管疾患等リハビリテーションの導入・運営を検討されている方は、基準の理解に加えて、実際の運用事例や準備すべき書類の整理も重要です。
インターリハでは、施設基準に基づく導入支援や、リハビリテーション機器の選定・レイアウトのご相談も承っております。
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