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認知症は初期症状対策が重要!早期発見をして患者にあわせたケアを

病気は早期発見が鍵とよくいわれています。しかし、認知症は自覚しにくいことも事実です。さらに、周囲の家族や、患者本人の性格などが影響して、なかなか早期に認知症であるとは理解しにくい傾向にあります。また、認知症には多くの精神障害もあわせもつことが多いので、なかなか一様に、どれが認知症の疑いがあるのかは、現実としてわかりにくいのです。そこで、ここでは認知症の特徴を大きく分けながら、初期症状にどういったものがあるのかについて詳しく解説していきます。


増え続ける認知症患者

現代社会でも多いのですが、認知症という呼び名を、「ボケ」とひとくくりにする傾向は、特に日本では非常に多いです。しかしながら、認知症は後天的脳障害の一つで、いったん発達した脳機能の一部が、何らかの脳機能障害の影響で、記憶をつなげて行動に結びつけることが難しくなります。また、感情や睡眠などの生理的な正常機能に影響が出てくる脳障害を指すのです。


特徴は不可逆的で、脳神経は再生することがまずないため、いったん進行し始めると、それを治療して元の状態に戻すのが大変難しい障害といわれています。また、認知症は人以外の犬や猫でも認められるもので、誰でもその可能性があることは確かです。認知症は、思考力が落ちて通常ではなくなってしまう状態といった、誤った認識が多いのも確かなことです。


日本では、アルツハイマー型認知症が非常に多く、認知症全体の6割を占めます。その中には、老齢型の認知不全や、脳血管障害による脳細胞の壊死で脳機能の一部が働かない脳機能障害も含まれています。かつては、脳内タンパク質の異常増殖による、神経細胞の死滅によって引き起こされるレビー小体認知症が認められていました。しかし、アルツハイマー型や、前頭側頭型認知症などが認められ、非常に広義な意味で認知症という範囲が定められています。


この中で、アルツハイマー型認知症と前頭側頭型認知症は、生活には大きな支障が認められないことが初期段階では多い傾向です。症状が顕著になって行動異常として露呈されたころには、すでに進行度合いがかなり進んでいることが多いといわれています。認知行動療法も効果があまり期待できないために、寝たきりや生活に大きな支障をきたす場合が多くなっています。


認知症の予防と早期発見を促すには

認知症の初期症状は、精神障害の初期症状と非常によく似ていることが多いです。最も多いのが、記憶をつかさどる脳機能の一部と、行動を起こすための脳神経の連携が不全となることで、それまで普通にできていたことが、日々少しずつできなくなることにあります。


それは、経験によって多くの不備があるあいまいな記憶が、その他の脳神経で補完されてしまうのです。例えば、本当はまったく記憶が呼び起こせないにも関わらず、「たまたま疲れているから」とか、「これは自分の性格のためだ」と、なかなかその異常に自覚が伴わないこともあります。


したがって、周囲ができるだけ早くに行動や認知で異常を感じた場合、認知症の確証がなくとも、患者が検査に応じてくれるかどうかが、早期発見の鍵です。現在、認知症の治療は、投薬から行動療法へとその手段が変わりつつあるのですが、精神科の他に、内科、心療内科など、複数の診療を通じて、治療への試みがされています。


また、こうした行動や認知症独特の物事の捉え方などは、認知症専門外来が誕生する前はどうだったのでしょうか。認知症の初期症状は、そうでない人と区別しにくく、非常に一般の方では見分けがつきません。しかし、以下のいくつかを切り分けて患者の行動を分析すると、ある時点でその言動と行動に、通常とは違うことがはっきりわかる場合があるのです。


 1.記憶障害

物忘れではなく、記憶自体が途切れていたり、一部分が抜け落ちたりすることが認められます。例えば、家族の名前などです。親戚や孫の名前、あるいは住所の一部など、それを補完するために「アレ」とか、「あの人」など、本能的に別の言葉で置き換えて話す傾向が強まります。


通常は、用語のヒントをいえば本人は思い出すものです。しかし、そうした記憶を呼び起こすことが難しくなるため、非常に会話がシンプルに短くなり、会話の積極性が下がるのも認知症全体の特徴といえるでしょう。つまり、単語や用語などを組み合わせて、上手に会話を構築して人と会話するのが、おっくうになったりするのです。


 2.判断力の低下

物事の決定が非常に短絡的になり、小さなことはあまりできなくなります。よくある例は、片付けや炊事などです。順序が途中であいまいになり、やがて料理は単一の調理しかできなくなるなどがあります。


特に整理整頓は、物が増えれば物品を他の棚や引き出しにしまうものですが、認知症の初期症状では、常に同じ所に置かないと記憶しておくことが、どこかで抜け落ちてしまうのです。認知症の進行度の具合によっては、部屋が乱雑になっていくというのは、非常に顕著に見られます。


 3.見当認識障害の初期症状

認識してその意味を考える力が低下します。例えば、脳機能障害の一つ、ADHDのような発達障害でも見られますが、文章を読むことができても自分でそれを書き写すことが困難になっていくというものが初期症状に見られます。つまり、文章を読む行動はできても、それをいったん脳で記憶し、文章として構築する作業に不備が多くなるのです。


特に名前や難しい画数の漢字など、読むことはできても、自分では思い出して正確に書けないなどがあります。例えば、「3時間後にこれをやる」というようなときに、時計の針を見てそこから計画的に行動をするというような、認識と認知に難が出てくる場合があるのです。


そのため、アルツハイマーの診断には、ある文章の一部を患者に書き写すというものがあります。認知症の場合は、何度も見返すので句読点がなかったり、字が非常に乱雑になったり、文の切り方が不適切になったりしてしまうのです。また、こうした認知症の初期症状は、加齢によるものも多いといわれています。


認知症の症状の進行度

認知症の中でも、極めて進行性が高いのが、アルツハイマー型と前頭側頭型認知症です。この2つは、それぞれ萎縮と増殖という違いがありますが、どちらも脳神経が壊死、あるいは徐々に機能しなくなる特徴があります。アルツハイマー型は、65歳以上の特に女性に多いといわれ、女性は男性の2~3倍多く発症することが知られています。


また、こうした進行性の認知症の場合は早発型と後発型があります。「65歳以降の晩期発症型で発症し始めたのか」「若年からすでに進行していたのか」は、判別がつきにくいのが現状です。さらに、生活習慣の中にも発症危険因子が指摘されているので、高血圧や血液性疾患、メタボリックシンドロームや、睡眠障害、長い喫煙期間など、患者本人のこれまでの習慣次第で、その進行の度合いは異なります。


認知症は、外因性のものでなければ、その症状の進行に関して明確な方向性が未解明であると言わざるをえません。これが、認知症の証であるということは、外見やその行動、言動の状態だけでは判別できないのが現実です。しかし、明確にある程度わかっているのは、認知症患者の行動は、徐々にその範囲が狭まるということです。


家に引きこもりがちになったり、出かけたりしても、近所のわかりやすいルートだけを往来するようになりがちです。そのため、加齢と共に運動に積極的になるのも、認知症予防にはある程度効果は期待できます。


初期症状時の認知症患者は慎重なケアを

まず、認知症の疑いがある患者、その可能性のある方が家族に存在するときは、異常な行動をすぐに指摘し、否定をもって接しては逆効果になります。まず、自覚をもって病院に積極的に診療にむかう認知症患者は皆無だと考えてよいでしょう。また、仮に診察で認知症の初期症状と診断されたとき、家族はまず認知行動療法と協力姿勢を示して、家族で対処し、その障害を克服するようできるだけ積極的に認知症を受け入れる準備が肝心となります。


病気だからできないので諦めるのではなく、障害の手助けをしながら、患者自身の自信を回復させることがまず先決なのです。そのため、家族は相談相手となり、低下していく行動や認知に対して、患者本人の自立を促す施策が必要となります。


まとめ

認知症を理解するうえで、非常に重要なのは、あくまで認知症は脳の一部や場所の神経機能が働かず、記憶や行動の中でも、その一部に支障が出てくるという捉え方なのです。脳すべての機能が一度に失われるわけではありません。認知症と同じように、思い違い、物忘れは誰にでも加齢で身体が衰えれば、それなりに見られるものです。


脳も普通に老齢によって機能は鈍くなるのは当然なのです。しかし、世間では、認知症への恐怖心からその理解が進んでいないところがあります。明らかなのは、認知症は脳の病気であって、非健常的ではないということです。

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